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虫とキノコが合体!?「冬虫夏草(とうちゅうかそう)」

 暑かった夏が終わり、後期の野外学習がスタートしました。今回は市内小学校の「ネイチャーガイド×トレッキング」の最中に男子児童が珍し生物!?を発見してくれたので紹介します。それは虫とキノコが合体した珍しい生物「冬虫夏草」の仲間です。この不思議な名の由来は、冬は虫で、夏になると草(キノコ)になると信じられていたからだといわれています。

 冬虫夏草は、キノコが昆虫やクモに寄生し、体内に菌糸をめぐらせ、さらに昆虫の頭部や間接部などから棒状の子実体を形成したものの総称で、「セミタケ」、「カメムシタケ」、「ヤンマタケ」など多種多様のものがこれまでに確認されています。

 特定の昆虫に特定の菌類だけが寄生する「寄主特異性」や、昆虫の防御機能を打ち破り体内に侵入する「寄生の仕組み」など、未知なるグループの1つです。今後、生物多様性や生態系サービスという観点からもこの謎に包まれた生態の解明や、新たな薬への応用など、さらなる研究成果が期待されます。

 (H30.09.11)

                                  写真(冬虫夏草の仲間)