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植物

驚きのチカラ ひ・こ・ば・え ひこばえ

 下の画像はサマーキャンプ2013に野外炊事の燃料として使用する薪を作るために間伐されたアベマキ(10年前に植樹したもの)。この木の再生力を信じて参加者の子どもたちとノコギリで慎重に倒しました。 薪材を乾燥させる期間が半月と短く、乾燥が不十分で着火が困難でした。けれども、参加者自らが薪割りして作った薪なので、炉の周りで乾かすなどの工夫をして数回に分けてすべて有効に使い切りました。また、枝でキャンプファイアで使うトーチ棒を作るというアイデアを出してくれたり、火つきの悪さに途中であきらめたり、愚痴を言ったりする参加者がひとりもいなかったことが嬉しかったです。

 そして、暑かったサマーキャンプが終わり一ヶ月もすると立派なひこばえが次々に発生しホッとしました。それと同時に、このひこばえしたアベマキが自然へ興味をふくらませてくれるシンボル的な木となり、10年後にこの木がまた利用できるように下草刈りなどの管理をしなければと新たな使命感がめばえました。そして、子どもたちにはこの自然のチカラを体感する木の活用プログラムを自然や環境について考えるきっかけにしてほしいと思います。平成25年10月3日

 

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(写真:アベマキのひこばえ)

 

「ひこばえ」=伐った木の切り株などの根元から新たに生える芽のこと。根は地中に根付いているので水分や養分の吸収力があり成長が速いのが特徴です。「ひこばえ」が成長し、また新たな木に育つことを「萌芽更新(ほうがこうしん)」といいます。30年を過ぎるような樹木はひこばえが発生する力が減退してしまうので、里山のくらしでは20年サイクルで伐採することでこの樹木が自ら再生するチカラを最大限に利用してきました。